第1問(H21) 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 国民経済の主な担い手は営利企業であるが、その活動にはおのずと限界がある。 特に@市民社会が求めるサービスは、営利企業以外の活動主体によって提供される方 がうまくいくことが少なくない。そのような活動主体としてNPO(Non-Profit Organization)が数多く存在する。 また、企業も市民社会の構成単位として、A社会的責任(CSR)を明確にして経済活 動を展開することが強く求められており、さまざまな非経済的な活動に取り組んで いる。そのこと以上に直接的に企業の社会的責任のあり方が顕在化するのは、B企業 の提供する製品やサービスへのクレームやトラブルあるいは不祥事をめぐってであ る。発生した問題に対して企業が誠実に適切に対応することは当然なことである が、それがうまく行われていない例が数多く見られる。C社会が期待するように企業 が自ら進んで責任を果たそうとする姿勢は、その後の企業の存続に直結しかねない 重大な課題なのである。
(設問1) 文中の下線部@で指摘されるような企業活動では提供しにくいサービスの発生 の理由として「市場の失敗」がもたらす非効率性が指摘されている。そのような市 場の失敗を説明する記述として、最も不適切なものはどれか。 ア 医師と患者の間では医療情報に顕著な差があるため、効率的な医療サービス が歪められる可能性が高い。 イ 学校教育では学生が費用を負担し、教育の便益を受けるが、企業は教育の費 用を負担することなく学生を採用することによって教育の便益を得ることがで きるので、放置すれば教育の提供が歪められる。 ウ 企業から発生した公害の解決や費用の負担をNPOや公共団体が担えば、企 業は生産活動に専念できるようになるので経済効果が高まり、住民の福利厚生 も増大する。 エ サービスを受けてもその対価を負担しない受益者を排除することが難しい場 合、企業はその事業に参入しにくい。
(設問2) 文中の下線部Aで指摘されるように、企業の社会的責任(CSR)は企業にとって は重要な戦略課題になっている。企業のあり方を問い直そうとするCSRへの取 り組みは、国際的な広がりを示しつつ、大企業のみならず中小企業、さらには企 業経営者にとっても重要な経営課題になっている。そのようなCSRをめぐる状 況に関する記述として、最も不適切なものはどれか。 ア ISO(国際標準化機構)は組織の社会的責任をとりあげ、国際的な倫理規範化 を目指している。 イ 欧州では1976年に経済協力開発機構(OECD)が「OECD多国籍企業ガイドラ イン」を発表し、さらに2000年の改訂ではCSRの範囲を雇用、人権、環境、 情報開示、消費者利益などに広げ、指針を設けて自主的な取り組みを求めてい る。 ウ かつて経済団体連合会は会員企業の経常利益の1%相当額以上の支出や個 人の寄付を財源にする1%(ワンパーセント)クラブを設立して社会貢献活動を 行ってきたが、2002年に日本経済団体連合会に統合する際にその活動は使命 を終えたとして停止された。 エ 近年、CSRへの取り組みは中小企業にも広がっており、株主、従業員、消 費者などを越えて、地域社会をも責任の範囲とする考え方が見られ、他方では コミュニティ・ビジネスが誕生してきている。 オ フィランソロピーは博愛的な精神に基づく慈善活動行為であるが、米国では 富豪によるものが盛んであるのに対して、わが国では企業による社会的貢献活 動として実施される傾向がある。
(設問3) 文中の下線部Bで指摘されるような問題が発生する可能性の高い状況として、 最も適切なものを下記の解答群から選べ。 a 新製品は発売から半年をめどに製品の完成度を高めるようにしているので、 その間のクレームには技術部門を含めて全社をあげて積極的に応じるが、その 後は営業部門のみで対応するようにしている。 b 独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の事故原因の調査報告や提言に 注意しつつ、消費生活用製品安全法に基づく指示命令が出るまで企業からの積 極的な対応は控えることにしている。 c 生産現場で起こったトラブルは直ちに工場長に伝えられ、工場の独立採算性 を勘案して各工場段階で対応処置がとられるようにしており、本社へはその措 置のめどが立った段階で報告される。 [解答群] ア aとbは問題が発生する可能性が高い。 イ aとcは問題が発生する可能性が高い。 ウ bとcは問題が発生する可能性が高い。 エ aとbとcはいずれも問題が発生する可能性が高い。 オ aとbとcはいずれも問題が発生する可能性が低い。
(設問4) 文中の下線部Cで指摘されるような企業の社会的責任への対応について述べた 記述として、最も不適切なものはどれか。 ア 企業は未然にリスクや不祥事等を防ぐべくコンプライアンスを実施するとと もに、外部からの予測できない事態に対してはリスク・マネジメントと呼ばれ る危機対応を実施することが重要である。 イ 顧客の中に企業のアイデンティティを形成することができれば、企業は良好 な評判を確立しやすくなるので、日常的にコーポレート・コミュニケーション を展開することが重要である。 ウ 人命にかかわるトラブルについては、超正直企業といわれるほどに収益性を 犠牲にしてでも、従業員ぐるみで製品の修理や回収を徹底することが必要であ り、そのためにはトップの強力なリーダーシップが重要である。 エ 品質管理の失敗は、損失に直結するコストとしてばかりでなく、長期的に顧 客の忠誠心を低下させて、将来の収益を損なう経営リスクとしての認識を全社 的に促すことが重要である。 オ 不祥事が発生した場合、企業の不祥事への対応と活動方針を社会に伝えるべ く利害関係者に広く情報提供することが重要である。
第2問(H21) 一般に企業はグローバル化するにつれて、海外でも研究開発活動を展開するよう になる。このことについて説明する記述として、最も不適切なものはどれか。 ア 海外研究開発拠点の設置は、海外市場や海外生産への依存度が高くなると増え る傾向が見られるが、進出先の研究開発能力が劣っているとその傾向は弱まる。 イ 企業が海外研究開発拠点を設けるのは、技術移転、海外子会社の要請、現地の 研究能力や技術の獲得などのためであるが、逆に国内で研究開発の規模の経済が 大きい場合や技術ノウハウの保護を重視する場合、海外研究開発拠点の開設に消 極的になりやすい。 ウ 国の差異を利用してグローバルに技術ノウハウを蓄積することによって、研究 開発のグローバル・シナジーが実現される可能性が高い場合、海外研究開発拠点 の設置が見られる。 エ 米国企業では既に1960年代に海外研究開発拠点の設立が見られるのに対し て、日本企業のそれは1980年代に入ってから多くなるが、いずれも企業の海外 進出が本格化したことと関連している。 オ わが国では研究開発能力の低い産業分野に海外研究開発拠点を設ける例が増加 しており、近年食品や繊維などの分野の中小企業が海外研究開発拠点を開設する 傾向が強まっている。
第3問(H21) 業界の競争や取引関係は、限られた市場の争奪という側面ばかりではない。逆に 市場を奪い合わずに自社の売り上げや利益を増やす関係になることもある。そのよ うな状況に関する記述として、最も不適切なものはどれか。 ア 新しい駅ビルに、これまで以上に多様な小売業者の入店を図るとともに、映画 館やアスレチック施設、さらに大学のサテライト教室なども入れて来客数を増や す。 イ ゲーム業界ではゲーム機器メーカーがゲームソフトを買い取ると同時にゲーム の開発指導を行うため、ゲームソフト開発メーカーの起業が活発になり、業界の 発展を促している。 ウ コストダウンは自動車部品供給業者の利益を圧迫するが、それが自動車会社の 販売力に結びつくと、自動車生産量を増加させることになるので、長期的に見れ ば供給業者に有利に働く。 エ 新製品の市場規模がまだ小さい場合、ライバル企業の参入によって当該製品を めぐって市場での競争が起こり、その結果その製品の市場は拡大する可能性をも つ。 オ 宅配業者がコンビニエンスストアを取次店とする集配を始めたので、コンビニ エンスストア間の荷物発注客の増加をめざした競争は、宅配市場を掘り起こす効 果をもたらした。
第4問(H21) ライバルとの競争は、市場でコストや差別化をめぐって展開されるばかりではな く、ビジネスのさまざまな局面で戦略的に展開されている。そのような戦略の具体 的な可能性として、最も不適切なものはどれか。 ア 自社の主力製品の即席カップ麺にライバル企業が攻勢をかけてきたので、その 対抗策としてライバル企業が得意とする袋入即席麺に自社製品を大量投入するこ とにした。 イ 先端技術をめぐって有力な大学や各種研究機関との共同研究を他社に先行して 確保し、自社の研究開発部門の強化を図ることにした。 ウ ライバル企業の得意とする技術分野は自社と異なっているが、ライバル企業の 技術分野に属する独立の企業を買収して、その技術を独占的に保有することにし た。 エ ライバルの製品と技術差異はあるが、顧客は価格に敏感に反応するので、販売 網を再構築し、ライバルと同じ価格を守りながらシェアの増大を図ることにし た。 オ 旅客ビジネスにおいて、硬直的な価格体系や画一的なサービスを提供している ライバル企業に対して、同一の路線を頻繁に利用する顧客のニーズに即して定時 運行を心がけ心温まるサービスの提供をすることにした。
第5問(H21) 国際化の進展は産業分野や製品分野でまちまちであり、すべてを同じように取り 扱うことはできない。しかし、よく観察すると一見ばらばらに見える国際化も、背 後に共通のロジックが存在する。最近の国際化の状況や国際化のロジックに関する 記述として、最も適切なものはどれか。 ア BRICsと呼ばれる新興工業国に先進国で成功している製品を持ち込むだけで は、現地の市場に適合的な製品を提供しながら成長を遂げている巨大なコングロ マリットとの競争に後れをとることになりやすい。 イ 薄型パネルテレビでは国内で生産して輸出するという戦略が中心になっている が、それは国際的な水平分業によって生産コストや労務コストを下げるという戦 略が展開されているからである。 ウ 台湾や韓国の薄型パネルの生産規模はわが国を凌駕しているが、その生産に必 要な部材の多くをわが国に依存しているので、海外での薄型パネルの生産増加は 結果的にわが国の部材メーカーを潤すと同時に、日本製薄型テレビの海外輸出を 促進する効果をもたらしている。 エ パソコン分野では中国での生産の増強や移転の例が見られるが、その理由は労 務コストが安価であることに加えて、必要不可欠なモジュール部品のすべてが安 価に現地生産されており、実装技術を持ち込めば低廉に生産できるという中国の 産業構造の高度化が進展しているからである。 オ わが国の自動車産業では米国への輸出は抑制気味で、現地生産は拡大してお り、米国内の自動車販売に占める日本車のシェアも高いが、これは日本の大衆車 への需要が強いためである。
第6問(H21) 最近、先端技術を集積したパソコン、デジタルカメラ、薄型テレビなどのデジタ ル製品が相次いで赤字に転落している。その原因として、急速に悪化する景気の影 響をあげることができるが、それ以上に、この分野に特有の競争と収益の構造によ る影響が大きいようである。そのような構造について説明する記述として、最も不 適切なものはどれか。 ア EMS(Electronic Manufacturing Service)やモジュール部品供給メーカーはシ ステム統合の技術を、レファレンスモデルを通じて提供する場合が多く、製品市 場の参入障壁を低めている。 イ 主要機能が満たされれば、それ以外の機能を付け加えても購買意欲に結びつか ないので、価格のみが競争優位をもたらす要因になっている。 ウ 部品と部品を組み合わせるインターフェースの標準化が進展している。 エ 部品のモジュール化の進展によって、生産工数を減らすことができるので、短 期的にはコストの低下や生産性の向上が期待できるが、その効果は直ちに価格競 争に反映される。 オ 要素技術についての大きなイノベーションよりも改良された要素部品の組み換 えや製品デザイン変更による製品開発が多く、製品ライフサイクルの短縮化につ ながっている。
第7問(H21) 企業はヒット商品を連続して生みだそうと努力するが、なかなか期待したような 成果をあげることができないでいることが多い。そのような困難と関連する事情に ついて説明する記述として最も適切なものはどれか。 ア 主力商品を生み出した技術分野に経営資源が重点的に配分されるほど、企業は その技術分野に磨きをかけることができるが、技術の幅が狭くなるので、製品開 発能力は消失する。 イ 製品開発チームに部門をまたいで社内能力を動員しそれらを統合する権限を与 えることができれば、自社の固有技術を活かした製品開発を推し進めるうえで有 効である。 ウ 他社がまねのできない独自技術を開発するには、概して特定技術への長期的な 投資が必要であるため、市場の短期的な変化に柔軟に対応するための商品開発が できなくなる。 エ 独自な技術で生み出された商品が後発商品と価格競争をしつつ市場を拡大する ようになると、顧客ニーズが硬直化するので、その市場への新商品の投入はすべ て無効になる。
第8問(H21) 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 長期的に自動車産業を観察すると、自動車をめぐって幾度か大きな変化が起こっ ていることが分かる。馬車をいくら改良しても自動車にならないといわれるよう に、まず自動車が発明されなければならなかった。ガソリンエンジンを搭載して 自力で走行する自動車が□ A □によって発明された。こうして誕生した初期の 自動車は、一品ごとの受注生産による高価なものであった。これを大衆的な乗り物 にするには量産技術が必要であった。@移動組立ラインによる大量生産の技術は、 20世紀初頭に米国で□ B □によって生み出された。こうして自動車が普及す るにつれて、人々のニーズを反映した自動車が求められるようになり、多様な自動 車が作られるようになった。自動車が道路にあふれるようになると新たな問題が発 生した。A自動車が環境やエネルギーさらには人間社会とどのように調和していくか という問題である。21世紀の自動車は、これらの問題を克服するべくさまざまな 側面で大きな変化が求められている。特に日本は欧米よりもこの問題への技術対応 について先行しているといわれている。 (設問1) 文中の空欄AとBに入る最も適切な人名の組み合わせを下記の解答群から選 べ。 a アルフレッド・スローン b カール・ベンツ c ジョヴァンニ・アニエッリ d ヘンリー・フォード e ルイ・ルノー [解答群] ア A:a B:c イ A:a B:d ウ A:b B:d エ A:c B:e オ A:d B:e
(設問2) 文中の下線部@の生産を可能にした当時の条件について述べた記述として、最 も不適切なものはどれか。 ア 作業条件の標準化と工程の専門化 イ 車両デザインの限定と固定化 ウ 需要の価格弾力性がある潜在的に大きな市場の存在 エ 生産ラインの労働者の多能工化 オ 単一車種生産による生産の同期化
(設問3) 下線部Aのように現代の自動車に問われる課題は、実は多くの産業で同様に直 面する課題でもある。そのような課題およびその克服をめぐる技術戦略が既に具 体的に取り組まれている。これに関する記述として、最も不適切なものはどれ か。 ア 新たな動力源やエネルギー源の開発が重要であるが、これまでの自動車産業 の技術体系と異質であるし、開発コストが膨大にかかることから、自動車産業 では産官学の共同開発が活発である。 イ 円滑な自動車交通を図るべく、ITS(Intelligent Transportation System)と呼 ばれる情報技術に支援された交通流システムの実証実験が自動車メーカーや情 報通信関連企業によって行われており、新しい産業需要を生み出すと期待され ている。 ウ 環境問題に対応すべく自動車のエレクトロニクス化が急ピッチで進んでお り、家電や重電の大手企業が自動車メーカーの有力なパートナーになってきて いる。 エ 軽量で剛性が高く、乗り心地が良い車として、モジュール型アーキテク チャーの車体が自動車の大勢となり、自動車開発は全体最適を優先するように なってきた。 オ わが国では環境にやさしく燃費のよいエンジンとして注目されるクリーン・ ディーゼルエンジン車の普及度は欧州に比べて低いといわれる。
第9問(H21) 全国各地に長い社歴を誇る企業が存在する。そのような長寿企業に興味深い経営 上の特徴が見られる。それらの特徴を説明する記述として、最も不適切なものはど れか。 ア 江戸時代には上方から江戸に向けて送られる荷物は下り荷と呼ばれたが、運送 できる量や必要とされる時間などの制約が強いため、上方で評判の製品は江戸で は珍重され、それが現在に続く老舗ブランドを形成している。 イ 近江商人が重視する三方よしとは、生産者、販売者の利益が改善されることに より、全体の経済効率が高まることをいう。 ウ 老舗企業では互いに市場を棲み分けながら、自社製品への根強い愛顧者を安定 的に確保しており、競争と共生のバランスが生まれていることが見受けられる。 エ 地域に根を下ろした長寿企業では地域の生活ニーズを満たすべく、地域の資源 や伝統的な技術を駆使するとともに、そこに現代の技術成果を導入して、生産性 の向上や商品開発を試みるなどの例が多い。 オ 強い商品ブランドや企業ブランドを守るべく、経営が保守的になりやすく、新 製品や新市場の開発が鈍くなり、生活スタイルの変化とともに市場が狭隘化する 傾向がある。
第10問(H21) 変化の激しい市場環境の下では、新製品開発にもスピードと柔軟性が求められ る。そのため、概念設計、機能設計、生産設計、量産設計などの設計プロセスや生 産計画の立案などの各フェイズに、関連する部門が重複して参加・協働する知識創 造の場として、自己組織化を促進する開発方式がとられることがある。このような 新製品開発活動が成功する条件に関する記述として、最も適切なものはどれか。 ア 各部門の責任・権限関係に混乱が生じないよう、あらかじめ明確に分業関係を 構築しておく必要がある。 イ 個人・集団・企業といった異なるレベルの学習とともに、異なる職能間での学 習も促進する必要がある。 ウ それぞれのフェイズでチェックポイントを設け、それをクリアした後で次の フェイズに進めるようにし、各部門管理者は自己のフェイズに責任を負う必要が ある。 エ 複数の部門が製品開発の目標を共有できるよう、トップは詳細な設計に関する 具体的な基準を設定する必要がある。 オ 複数の部門間での調整に混乱が生じないよう、命令の一元性を徹底して管理す る必要がある。
第11問(H21) ヘンリー・ミンツバーグ(Henry Mintzberg)は、企業組織を構成する5つの基 本要素として、「戦略的トップ(Strategic Apex)」、「ミドルライン(Middle Line)」、「現業部門(Operating Core)」、「テクノストラクチャ(Technostructure)」、 「サポートスタッフ(Support Staff)」をあげ、これらの要素の組み合わせによって、 組織形態(configuration)は、単純構造、機械的官僚制、プロフェッショナル官僚制 (Professional Bureaucracy)、分権構造、アドホクラシー(Adhocracy)の5つに分 類できるとした。 組織形態に関する下記の設問に答えよ。
(設問1) ミンツバーグのいう「プロフェッショナル官僚制(Professional Bureaucracy)」 は、病院や会計事務所などでよく見られるという。プロフェッショナル官僚制に 関する記述として、最も適切なものはどれか。 ア 専門家の業務に対する戦略的トップによる直接的コントロールが強い。 イ 多角化した企業における事業部のポートフォリオマネジメントに適してい る。 ウ 定型的な業務を効率的に遂行する戦略に適している。 エ テクノストラクチャは少なく、専門職を支援するサポートスタッフは多い。 オ 比較的単純で安定的な環境に適しており、公式化の程度は比較的高い。
(設問2) ミンツバーグによれば、研究開発組織などに「アドホクラシー(Adhocracy)」と いう組織形態が適しているといわれる。アドホクラシーに関する記述として、最 も適切なものはどれか。 ア サポートスタッフが多く、変化する環境に適応できる支援を行なっている。 イ 事業部長などのミドルラインに権限を集権化し、環境への迅速な対応を可能 にしている。 ウ 戦略的トップによる現業部門に対する直接的コントロールが強くなる。 エ 組織内の仲間によるコントロールと相互調整によって管理される傾向が強 い。 オ テクノストラクチャが充実しており、現業部門に対する支援を積極的に行っ ている。
第12問(H21) 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 高度な技術が複雑にかかわる現代のイノベーションにおいて、外部からイノベー ションに必要な知識や情報を獲得することが不可欠である。しかし、イノベーショ ンに有用な情報を、リードユーザーと呼ばれる顧客がもっている場合、@そのような 情報はしばしば粘着性(stickiness)が高く、入手することが困難である。このよう な外部からの知識や情報を理解し活用するためには、高いA吸収能力(absorptive capacity)が必要である。 (設問1) 文中の下線部@にある粘着性の高い情報を獲得する方法に関する記述として、 最も適切なものはどれか。 ア LANなどの情報システムへ投資し、従業員間で情報の共有がスムーズに行 われるようにする。 イ インターネットなどの検索エンジンを活用して、広い範囲から技術情報を獲 得する。 ウ 顧客が生産活動や消費活動を行っている現場に技術者や営業員を行かせ、対 面形式の会話を通じて入手する。 エ コンサルタントや広告代理店を通じてマーケティング調査を行い、統計的に 意味ある情報を入手する。 オ 最先端の技術情報が掲載されている学会誌や業界雑誌などをレビューする専 門の部門を配置する。
(設問2) 文中の下線部Aに関して、外部からの知識や情報を理解し活用するために必要 な吸収能力を獲得するために、有効な手段として最も適切なものはどれか。 ア 広告宣伝活動 イ サプライチェーンマネジメント ウ 自社の研究開発投資 エ 市場調査 オ 従業員満足度の向上
第13問(H21) 組織文化の機能に関する記述として、最も不適切なものはどれか。 ア 企業の年齢が若く、規模が小さい段階では、組織文化は従業員のこころを結び つける接着剤の役割を果たす。 イ 組織文化は、外部環境への適応行動である戦略行動にはあまり影響を与えない が、組織内部の管理や人事評価などに強い影響力を持つ。 ウ 組織文化は、従業員が信奉する価値観など、組織内で論理的に解決できない問 題への解を提供することで、従業員の不安を解消する。 エ 組織文化は、新入社員に対して、この組織ではどのような振る舞いが望ましい のか、何を良いと感じるべきかを教育する機能を持つ。 オ 組織文化を外部環境に発信することを通じて、その組織文化に共感するメン バーの参加を促す効果を持つ。
第14問(H21) ホスピタリティ産業やサービス産業などの企業では、顧客の多様な要求に迅速に 応じる必要があり、従業員へのエンパワーメントが進んでいる。このような組織 は、「逆ピラミッド」型組織といわれることもある。このような組織における管理に 関する記述として、最も不適切なものはどれか。 ア 従業員が業務遂行に必要なスキルや知識を定期的に確認し、行動実践に移すこ とができているか評価する。 イ 従業員に自分で判断し行動する権限を与え、上司はコーチとして従業員を信頼 するとともに、支援していく役割を担う。 ウ 従業員には複雑なマニュアルではなく、顧客へのサービス哲学や組織の価値観 を象徴する単純なメッセージを共有させる。 エ 従業員満足度調査の中で、上司のリーダーシップやキャリア開発への支援のあ り方を部下が評価し、それを上司に直接提出させる。 オ 専門部門の垣根を越えてチームとして顧客に接するような組織文化を構築する ために、従業員相互のコミュニケーションを促進する。
第15問(H21) 規模の大小にかかわらず閉塞感に苛 まれている成熟した事業を展開している企業 では、優れた人材の持つ能力を制約したり破壊するような組織内環境をつくってし まう可能性がある。こうした組織を、人材の持つ専門能力やエネルギーを組織の力 として効果的に統合するように変革を進めていくためには、個々の従業員のコンピ テンシーを開発するとともに、その力を組織へ統合し、維持していかなければなら ない。こうした組織変革のプロセスに関する下記の設問に答えよ。 (設問1) 組織における個人のコンピテンシーを高め、自発的に職務にコミットさせるよ うにするためのプロセスとして、最も適切なものはどれか。 ア 管理者は、部下のコンピテンシーの状態を絶えず評価し、彼らがミスを犯さ ないようにプロセスをチェックしていく。 イ 現場の従業員に経営資源を活用する権限を移譲し、自己規律に基づくエンパ ワーメントをしていく。 ウ 個人の自発的コミットメントを引き出すために、従業員の賃金のベースアッ プ率を高くする。 エ 従業員個人の職務を明確に規定し、どの職務を担っても処遇に差が生じない よう、一律の賃金体系を導入する。 オ 同僚や高い評価を受けている従業員に対して不公平感を感じないようにする ため、従業員相互で評価についての比較をさせないようにする。
(設問2) 個人のコンピテンシーとコミットメントを、組織全体の力として統合していく ための方策として、最も適切なものはどれか。 ア 管理者は部下のメンターもしくはコーチとして行動し、専門職能を基軸とし た分権的組織構造を構築する必要がある。 イ 個人間の情報伝達をオープンにするため、非公式の情報伝達ルートを制限 し、誰でも情報を入手できるようにする。 ウ 個人の責任・権限と財務的報酬を明確に定義した業務評価システムを構築 し、個人レベルの学習が組織にとってどう関係するかを理解できるようにす る。 エ 従業員が参加できる集団的意思決定方式を導入し、全員一致の合意に基づく 政策決定を優先するようなリーダーによって運営される必要がある。 オ 成熟した事業部門の枠を超えて、他の事業部門との横方向の情報交換を促進 するような場の設定や、情報システムを導入する。
第16問(H21) リーダーシップに関する学説の多くは、「人間もしくは人間関係指向」と「課業指 向」という指向性の区別に言及している。このことに関する記述として最も適切な ものはどれか。 ア アージリスは、職務拡大を通じて、課業指向的なリーダーシップを、人間関係 指向的なリーダーシップにかえていくことができると主張した。 イ ハーシーとブランチャードは、高課業指向、高関係性指向のリーダーシップ が、最も説得的で生産的であると主張した。 ウ フィードラーは、低いLPCリーダーは課業指向で、高いLPCリーダーは人間 関係指向であると主張した。 エ ブルームは、民主的・参加型リーダーシップが高い生産性を生むと主張した。
第17問(H21) イノベーションを目的とするアライアンス関係の代表的な形態には、下請関係、 ライセンシング、コンソーシアム、ジョイントベンチャーなどがあり、それぞれ長 所と短所を持っている。これらのアライアンス関係に関する記述として最も適切な ものはどれか。 ア コンソーシアムは、基礎研究のように不確実性の高い場合に、複数の企業が共 同出資することで投資リスクを低くする効果を持っているが、コンソーシアム解 散後の企業間の差別化が困難になるという問題を持つ。 イ 下請関係は製品製造コストの削減には有効であるが、新製品の開発や技術革新 については取引コストが高くついてしまう。 ウ ジョイントベンチャーは、比較的長期にわたり同質的な技術をもつ企業同士が 提携することであるが、組織文化の対立などによってコントロールを失う可能性 もある。 エ ライセンシングは、短期間に技術を獲得するのに有効であるが、獲得した技術 を自社が自由に利用する権利が制約されるリスクがある。
第18問(H21) 労働基準法では、労働者を解雇する場合の解雇制限や解雇手続きについて定めら れているが、解雇制限や解雇手続きに関する記述として、最も不適切なものはどれ か。 ア 産前・産後の女性が労働基準法の定めにより休業する期間とその後30日間は 解雇できない。 イ 日々雇い入れられる者や2か月以内の期間を定めて使用される者を解雇する場 合は、労働基準法に定める解雇予告や解雇予告手当の支払いの必要はない。ただ し、日々雇い入れられる者が1か月を超えて引き続き使用された場合や2か月以 内の期間を定めて使用される者が所定の期間を超えて引き続き使用された場合 は、解雇予告や解雇予告手当の支払いが必要である。 ウ 労働者が業務上の傷病でその療養のため休業する期間とその後30日間の解雇 は禁止されているが、療養開始後3年を経過しても治らない場合は特段の保障な く解雇することができる。 エ 労働者の責めに帰すべき事由により解雇する場合でも、少なくとも30日前に 解雇予告するか、または30日分以上の平均賃金の解雇予告手当を支払う必要 があるが、労働者の責めに帰すべき解雇事由について行政官庁の認定を受けた場 合は、その必要はない。 オ 労働者を解雇する場合には、少なくとも30日前に解雇予告するか、または 30日分以上の平均賃金の解雇予告手当を支払う必要があるが、天災事変その他 やむを得ない事由により事業の継続が不可能になり、その事由について行政官庁 の認定を受けた場合は、その必要はない。
第19問(H21) 労働安全衛生法では、事業者に対して常時使用する労働者を対象に健康診断の実 施を義務づけているが、健康診断等に関する記述として、最も不適切なものはどれ か。 ア 事業者とは、事業を行う者で労働者を使用するものとされ、労働者の安全と健 康を確保する義務主体で、法人企業であれば法人自体であり、個人企業であれば 経営者個人である。 イ 事業者は、期間の定めのない労働契約によるパートタイム労働者でも、その者 の1週間の所定労働時間が当該事業場の同種の業務に従事する通常の労働者の1 週間の所定労働時間の3分の2以上の場合は、一般健康診断を実施しなければな らない。 ウ 事業者は、常時使用する労働者に対しては年1回、深夜業など一定の業務に従 事する労働者に対しては当該業務への配置替えの際および6か月毎に1回、定期 的に一般健康診断を実施しなければならない。 エ 事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対して一般 健康診断を実施(健康診断を受けた後、3か月を経過しない者がその結果を証明 する書面を提出した場合の診断項目は除く)しなければならない。 オ 事業者は、労働安全衛生法に基づいて作成すべき一般健康診断の健康診断個人 票を5年間保存しなければならない。
第20問(H21) 人事考課に関する記述として、最も不適切なものはどれか。 ア 人事考課で最も重要なことは公正な評価が行われることであるが、人事考課に ともないやすい評定誤差として、中央化傾向、寛大化傾向、論理的誤差および対 比誤差などがある。 イ 人事考課の評価基準には、定められた基準(レベル)に基づいて評価する絶対評 価と評価対象者の中での比較による相対評価があるが、絶対評価の代表的なもの にはプロブスト法などがある。 ウ 人事考課の評価項目には、能力考課、業績考課および情意考課があるが、その うち情意考課とは職務に取り組む意欲や勤務態度、積極性や協調性などを評価す るものである。 エ 人事考課は、昇進・昇格、昇給・賞与の管理、配置転換や人事異動および能力 開発や教育訓練のニーズの把握など、さまざまな人的資源管理の根拠となる。 オ ハロー効果とは、同じ考課者が同じ被考課者を評価しても、時間や順序が変わ ると異なった評価になる傾向のことをいう。
第21問(H21) 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する 法律(労働者派遣法)に関する記述として、最も不適切なものはどれか。 ア 一般労働者派遣事業は、厚生労働大臣の許可が必要であるが、特定労働者派遣 事業は、厚生労働大臣への届け出をすれば事業を行うことができる。 イ 派遣元事業主は派遣元管理台帳を、派遣先は派遣先管理台帳を作成し、それぞ れ3年間保存しなければならない。 ウ 労働者派遣事業には、港湾運送業務、建設業務、警備業務およびその他政令で 定める業務はその対象とされていない。 エ 労働者派遣事業には、常時雇用している者の中から派遣する一般労働者派遣事 業と、登録している者の中から派遣する特定労働者派遣事業がある。 オ 労働者派遣とは、自己の雇用する労働者をその雇用関係を維持したまま、他人 の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることをいい、当該他人 に対し当該労働者を当該他人に雇用させることを約しているものは含まない。
第22問(H21) 価格設定は、企業のマーケティング目的や、消費者心理を反映して行われる。以 下の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 ア イメージ価格設定(イメージ・プライシング)は、消費者の自己イメージ形成欲 求や顕示欲求が強い製品群において、とくに有効である。 イ 市場浸透価格(ペネトレーティング・プライス)の設定を通じて企業が市場占有 率の最大化を目指すとき、ひとつには経験効果によって生産費用と流通費用が低 減すること、いまひとつは市場の需要の価格弾力性が低いことが、その成功の条 件となる。 ウ 消費者は、特定の製品の価格を正確に記憶していることは少ないが、過去の買 い物経験などを通じて蓄積された内的参照価格と、値札情報など実際の買い物場 面で提示されている外的参照価格の影響を受けて購買意思決定を行う。 エ 大規模な投資をともなう技術開発をベースとした新製品が市場に投入される 際、上澄み吸収価格(スキミング・プライス)が用いられることが多い。企業がこ の方法を採用するための前提条件は、利益を期待できる十分な数の買い手による 需要が存在すること、さらにはイニシャル・コストが高いことから潜在的な競合 企業の参入が困難なことである。 オ 同一の製品であっても、国内と海外、シーズン中とオフシーズン、あるいは業 務用と家庭用などの区分によって、消費者間での需要の価格弾力性が異なること がある。
第23問(H21) 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 市場細分化を行う際、より多くの細分化変数を用いれば、より詳細な水準での市 場細分(市場セグメント)の明確化を行うことができる。ただし、@すべての市場細分 が、マーケティング活動による働きかけの対象として有効であるとは限らない。ま た、標的として設定する市場細分の選定にあたっても、A企業の目的・戦略・資源と の適合を図る必要がある。 (設問1) 文中の下線部@に関連する以下の文章の空欄AおよびBにあてはまる語句の組 み合わせのうち、最も適切なものを下記の解答群から選べ。 市場細分の評価は、「測定可能性」、「□ A □可能性」、「差別化可能性」、と くに物流と□ B □流の上での「到達(接近)可能性」、さらにはマーケティン グ・プログラムの「実行可能性」を主な基準として行われる。 [解答群] ア A:独占的競争 B:商 イ A:費用低減 B:資 金 ウ A:費用低減 B:情 報 エ A:利益確保 B:資 金 オ A:利益確保 B:情 報
(設問2) 文中の下線部Aに関連する以下の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 ア カメラ・メーカーのX社は、インスタント・カメラで特定市場細分におけ る専門化の利益を享受していたが、デジタル技術の登場によって存続の危機に 陥った。これは集中型マーケティングに固執し、環境適応を怠ったからであ る。 イ 書籍流通業者のY社は各地の大学図書館の多様なニーズを充足するため、 大学図書館の書籍購入システムを効率化するだけでなく、図書館業務の専門家 を派遣し、利用者へのレファレンス業務のサービス向上に貢献している。この ような特定市場の複数ニーズに総合的に対応するアプローチを市場専門化とい う。 ウ 製パン・メーカーのZ社は、同一の製品を、スーパーマーケットやコンビ ニエンスストア、総合スーパーに加え、学校や病院、企業の食堂や大手レスト ラン・チェーンに販売している。こうしたアプローチを選択的専門化という。 エ 相互に異質な性格をもつ複数の市場細分の間に、活用できる類似性が存在す ることがある。たとえば、四輪駆動車は登山やスキーの愛好家たちからも、都 会でのドライブを楽しむ人たちからも選好される。このような市場細分群のこ とをスーパーセグメントという。
第24問(H21) ほぼ100%をPB(プライベート・ブランド)による品揃えとする、高級食品スー パーマーケット・チェーンを運営するA社は、ある県の小売市場で急成長を遂げ ている。その県内で全12店舗を展開し、専用物流センターを活用しているA社 は、提携する地域生産者および自社工場の稼働率を上げ、一定の規模の経済性を達 成することを目指して、店舗網を拡大し、近隣都道府県へ進出することを計画して いる。A社が現在検討している進出案に関する以下の記述のうち、最も不適切なも のはどれか。 ア A社が使用する専用物流センターの効率的な稼動を考慮し、店舗網の拡大は、 現在使用している物流センターのサービス範囲への集中出店(ドミナント出店)方 式をとる。 イ A社の小売事業ブランド化は、強大な購買支配力(バイイング・パワー)をもと に展開されたものではなく、地域生産者とのパートナーシップによって支えられ てきたので、店舗網の拡大後も、これらの生産者の成長を支援する役割が期待さ れる。 ウ A社は、近隣都道府県への進出の一案としてフランチャイズ展開を計画してい る。それは、企業型垂直マーケティング・システム(企業型VMS)の一形態であ る。 エ A社は、店舗網がある一定の地理的範囲を超えて、近隣都道府県の外部まで達 した段階では、有休生産設備をもつNB(ナショナル・ブランド)メーカーや進出 先地域の生産者との間に新たに製造委託契約を交わすことができる。 オ A社は、より多くの地域に出店を進めることで、店舗業務や店舗支援業務が複 雑になるので、より明確な目的意識をもってチャネル・リーダー(チャネル・ キャプテン)としての役割を果たさなければならない。
第25問(H21) 消費者が買い求めるさまざまな商品は、購買習慣に基づいて、最寄品、買回品、 専門品、非探索品に分類される。これらに関する以下の記述のうち、最も不適切な ものはどれか。 ア 購買頻度が高く、即座に商品が引き渡されることが要求され、かつ比較や購買 に際して最小限の努力しか払おうとしない商品は最寄品に分類される。 イ 専門品の購買行動では、消費者が買い物の途中で選好を明確にするが、買回品 の場合、買い物出向に先駆けて選好が確立している。 ウ 非探索品とは、消費者がその製品・サービスに対する必要性が生じるまでは意 識したり、興味を抱いたりすることのないものを指す。 エ 最寄品と買回品の区分は探索性向の水準の高低に基づいている。前者ではこの 水準が極めて低く、後者では高くなっている。
第26問(H21) 音響機器メーカーのB社は、10年前にデジタル時代に向けた基幹ブランドとし て開発した携帯オーディオ・プレイヤーの販売実績が思わしくないことから、大幅 に改良した新モデルの投入に先駆けて、大規模なプロモーション・キャンペーンを 実施することにした。同社の宣伝部で行われるキャンペーン施策に関する以下の記 述のうち、最も不適切なものはどれか。 ア AIDMAモデルの最初のAは、Attention(注目)の獲得を意味するから、まず は注目度を向上させるために、標的市場への到達度と広告接触頻度を掛け合わせ た指標を使って、媒体間の期待広告効果の比較をすることが重要である。 イ 広告は大きな支出をともなうが、メッセージの内容や発信のタイミング、さら には到達する対象の特徴がとらえやすい。一方、販促を用いれば販売業者と消費 者に対して強く訴求できるが、必ずしも効果が長続きするとはいえない。 ウ 今回の新製品プロモーション・キャンペーンでは大規模な広告投資を行うが、 その売上への貢献は、製品コンセプトの差別性、販売業者との取引条件や製品価 格の設定、チャネル・サービスの質と量など、マーケティング・ミックス要素の 総合的効果である。 エ テレビ、新聞、雑誌、ラジオのマス4媒体は、このところ急速にセグメント・ メディア化が進んでいるので、60歳以下の幅広いターゲットを狙う場合、今回 の新商品のプロモーションには不適切である。 オ プロモーション政策は、広告、販促、パブリシティ、営業活動を含むものであ り、これらの活動は、マーケティング目的に対して明確な意味づけがなされ、意 思決定プロセスや効果測定の方法も明示しておく必要がある。
第27問(H21) 数多くのブランドを展開する中堅アパレル・メーカーのC社では、各ブランド のプロモーション活動が局地的に実施されてきたことが理由で、企業理念と各ブラ ンドの戦略が結びつかない状況に陥り、その結果、顧客離れが進んでしまった。こ の状況を打破するために、同社は、統合マーケティング・コミュニケーション (IMC)の視点の導入を図っている。IMCに関する以下の記述のうち、最も不適切 なものはどれか。 ア IMCのアプローチは、顧客関係性に重点を置いているため、そのコミュニ ケーション目的は、市場占有率だけでなく、顧客シェア、つまり顧客の生涯価値 の重要性に着目する。 イ IMCの枠組みでは、コミュニケーション投資の効果、つまり投下資本回収率 の計測を重視しているが、現実にはこれを測定することは非常に難しい。 ウ IMCは伝統的な広告と同様、送り手から受け手に対する一方通行のコミュニ ケーションであることに変わりはないが、顧客起点である点と、顧客を含むス テークホルダーへの配慮に重点を置いている点がユニークな特徴である。 エ 広告、販促、広報のいずれもが、企業の発信するコミュニケーション活動であ り、これらは企業理念、企業戦略、事業戦略、ブランド戦略の中で一貫性をも ち、いわば「ひとつの統一されたメッセージ」で結びつけられることが欠かせな い。 オ 伝統的なマーケティング・コミュニケーションでは、一定の期間に集中的にコ ミュニケーション投下を行っていたが、IMCでは複数のプロモーション・ミッ クス要素を組み合わせて断続的な働きかけを行っていく。
第28問(H21) 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 アメリカ・マーケティング協会によって説明されるように、一般にブランドとは 「ある売り手の財やサービスが、他の売り手のそれとは異なるものであることを □ □してもらうための、@名前、用語、デザイン、シンボル、およびその他の ユニークな特徴」であるとされている。現在では、Aブランド概念のさまざまな側面 が議論されている。 (設問1) 文中の空欄に入る最も適切なものはどれか。 ア 広 告 イ 識 別 ウ 示 唆 エ 断 言 オ 明 言
(設問2) 文中の下線部@に挙げられるものとして、ロゴ、キャラクター、パッケージ、 スローガンなども、自社の製品を特徴づけ、他社製品と差別化するために用いら れる代表的な知覚コードである。これらの総称として最も適切なものはどれか。 ア ブランド・エクステンション イ ブランド・エレメント ウ ブランド・ライセンシング エ ポジショニング・ステートメント
(設問3) 文中の下線部Aに関連する以下の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 ア 成分ブランドは、コ・ブランディング(Cobranding)の一種であり、最終製 品自体がブランド化しているだけでなく、その製品に使用されているパーツな どもブランド化しているものである場合を指す。 イ プライベート・ブランドは、卸売業者や小売業者による商標のことである。 ウ ブランド・アイデンティティを確立するためには、ブランドの機能的便益だ けでなく、情緒的・自己表現的便益を明確にすることが重要であり、それは顧 客関係性の構築のためにも欠かせない。 エ ブランド・エクイティとは、特定の組織にとって自社のブランドによって連 想される内容から、その資産となる部分を総和したものであり、わが国におい ては、近年その測定についての標準算出式が導入されている。 オ ブランド開発では「モノ」をどのような生活空間・生活場面と結び付け、「モ ノへの意味付け」を通じて価値や便益を創造・伝達し、どのように顧客との強 力な関係性を構築するかが重視される。
第29問(H21) 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 消費者行動論の分野では、消費者の購買意思決定プロセスのモデル化が行われて きた。そのなかでも代表的なモデルは、問題の認識とその解決としての購買行動を 前提として、「問題認識」→「情報探索」→「□ □」→「選択」→「結果の評価」から なる5段階のプロセスによる説明を行っている。 (設問1) 文中の空欄に入る最も適切なものはどれか。 ア 購買目的の精緻化 イ 情報分散化 ウ 代替案の評価 エ トライアル購買 オ 取引条件の交渉
(設問2) 文中の下線部に関連する以下の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 ア ある消費者が特定ブランドに対する高いロイヤルティ(忠誠)を持つ場合、こ の消費者は購買意思決定プロセスの中で広範囲問題解決を行うことが多い。 イ 情報探索段階で長期記憶により多くの知識を持っている消費者は、少ない知 識を持つ消費者と比べ、意思決定のための情報を効果的に処理できる傾向が強 い。 ウ 情報探索段階の外部探索とは、消費者が店舗出向したり、カタログやウェブ サイト、友人の意見などを参考にしたりして情報収集を行うことである。 エ 製品関与とは、消費者がある製品に対してどれだけ重要性やリスクを感じる かの水準を指し、消費者がその製品にどれだけこだわりを持っているかという ことである。
第30問(H21) 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。 ある地域スーパーマーケット・チェーンでは、この10年間、「地元の小・中学校 に芝生の運動場を」というスローガンを掲げて、地域の消費者がこのスーパーで買 い物をして、ポイント・カードに2,000円分のポイントを集めるごとにクーポンを 渡している。クーポンを手にした消費者は、地元の任意の小・中学校にクーポンを 寄付する。一定額のクーポンと引き換えに、各学校が芝生の運動場への改良工事費 を施工業者に支払うことのできる仕組みである。 (設問1) このスーパーマーケットが実施しているような社会的責任マーケティングの手 法には特定の名称が与えられている。この名称として、最も適切なものはどれか。 ア インターナル(Internal)・マーケティング イ ヴァイラル(Viral)・マーケティング ウ口 コミ・マーケティング エ グリーン(Green)・マーケティング オ コーズ・リレイテッド(Cause-related)・マーケティング
(設問2) 社会的責任マーケティングに関する以下の記述のうち、最も不適切なものはど れか。 ア インターネットをはじめとするメディアが発達した今日では、企業の非倫理 的・非社会的行為に対する非難や糾弾の意見が、迅速かつ広範囲に伝播してい く現象が顕著になっている。 イ 企業のソーシャル・マーケティング活動は、事業遂行における法令遵守が的 確に行われていれば、十分な責任が果たされているといえる。 ウ ソーシャル・マーケティングの実践は、しばしば教育的要素をともなうた め、いかに楽しくメッセージを伝達し、理解してもらうかが重要である。 エ 非営利組織や政府機関が社会問題などに直接的に働きかえるために実施され るマーケティング活動もソーシャル・マーケティングと呼ばれる。