第1問(H23) GDP(国内総生産)とGNP(国民総生産)の関係について、次の式の空欄にあては まる最も適切なものを下記の解答群から選べ。 GDP=GNP + □ □ [解答群] ア 海外からの要素所得受取−海外への要素所得支払 イ 海外への要素所得支払−海外からの要素所得受取 ウ 固定資本減耗+間接税−補助金 エ 固定資本減耗+補助金−間接税
第2問(H23) 下図は、日本の名目GDP成長率と実質GDP成長率を示したものである。この 図から読み取れることおよび経済状況の説明として最も適切なものはどれか。ア 1960年代の高度経済成長期には、持続的な物価の上昇が見られ、これは貨幣 価値を上昇させる効果を持つ。 イ 1970年代前半には、第2次オイルショックに伴い、物価の上昇と不況が発生 し、スタグフレーションの現象に陥った。 ウ 1980年代後半には、円高不況、バブル経済、アジア通貨危機を経験し、その 後、長期の景気低迷を迎えることとなった。 エ 2000年代は、持続的な物価の下落が見られ、これは企業の実質債務の増加や 実質利子率の上昇を生じさせる効果を持つ。 オ 「名目GDP成長率=実質GDP成長率−GDPデフレータ変化率」という関係 が成立し、名目GDP成長率と実質GDP成長率の差は物価の変化を表している。
第3問(H23) 消費の決定に関する説明として、最も不適切なものはどれか。 ア 倹約のパラドクスでは、美徳とされる倹約の推奨が経済全体では消費支出と GDPの減少を引き起こすと考える。 イ 消費の習慣仮説では、景気の後退局面においても、消費の減少に対して歯止め が作用すると考える。 ウ 絶対所得仮説では、1回限りの減税によって変動所得が増加しても消費は一定 にとどまると考える。 エ ライフサイクル仮説では、生涯所得の増加が消費の増加を引き起こすと考え る。
第4問(H23) 貨幣市場に関する説明として最も適切なものはどれか。 ア 古典派の貨幣数量説では、貨幣需要は投機的需要のみであると考える。 イ ハイパワードマネーは、公定歩合の引き下げ、売りオペによって増加する。 ウ マネーストックのうちM1は、現金通貨と預金通貨から構成される。 エ 流動性選好理論では、貨幣市場において超過需要が発生する場合、債券市場も 超過需要の状態にあり、それは利子率の上昇を通じて解消されると考える。
第5問(H23) 日本の金融政策に関する記述として、最も不適切なものはどれか。 ア インフレ・ターゲティングとは、物価の安定を具体的な物価上昇率(消費者物 価指数等)の数値で示すなど、金融政策の透明性向上のためのひとつの枠組みと して議論されたものである。 イ 金融の量的な指標に目標値を定め、それが達成されるように金融緩和を行うこ とを「量的緩和政策」と呼ぶ。 ウ 準備預金制度とは、この制度の対象となる都市銀行などの金融機関に対して、 受け入れている預金等の一定比率(準備率)以上の金額を日本銀行に預け入れるこ とを義務づける制度である。 エ 日本銀行は中央銀行としての独立性を担保されているが、金融政策運営を討 議・決定する会合(金融政策決定会合)では、財務大臣は議決権を行使することが できる。
第6問(H23) いま、家計、企業、政府、外国から構成される経済モデルを考える。各々の記 号は、Y:GDP、C:消費支出、I:民間投資支出、G:政府支出、T:租税収入、 X:輸出、M:輸入、C0:独立消費、M0:独立輸入であり、単位は兆円とする。ま た、c:限界消費性向、m:限界輸入性向である。 生産物市場の均衡条件 Y=C+I+G+X−M 消費関数 C=C0+c(Y−T) C0=50,c=0.6 民間投資支出 I=110 政府支出 G=50 租税収入 T=50 輸 出 X=80 輸入関数 M=M0+mY M0=10,m=0.1 このモデルから導かれる記述として最も適切なものはどれか。 ア 均衡GDPは600兆円である。 イ 減税が5兆円の規模で実施された場合、均衡GDPは6兆円増加する。 ウ 政府支出が5兆円増加した場合、均衡GDPは12.5兆円増加する。 エ 輸出が10兆円減少した場合、均衡GDPは20兆円増加する。
第7問(H23) 経済が「流動性のわな」に陥った場合の説明として、最も適切なものの組み合わせ を下記の解答群から選べ。 a 貨幣供給が増加しても伝達メカニズムが機能せず、利子率は低下するが、投資 支出の増加が生じない。 b 政府支出の増加が生じてもクラウディング・アウトは発生しない。 c 「流動性のわな」のもとでは、貨幣需要の利子弾力性はゼロになり、利子率が下 限値に達すると、債券価格は上限値に到達する。 d 「流動性のわな」のもとでは、GDPの水準は貨幣市場から独立であり、生産物 市場から決定される。 [解答群] ア aとc イ aとd ウ bとc エ bとd
第8問(H23) 下図は、開放経済下におけるマクロ経済モデルを描いたものである。 いま、小国モデル、完全資本移動、変動為替レート制、物価の硬直性、為替レー トの静学的な予想を仮定する。下図では、これらの前提に基づき、生産物市場の均 衡を示すIS曲線、貨幣市場の均衡を示すLM曲線、自国利子率(r)と外国利子率 (r*)の均衡化を示すBP曲線が表されている。 政府支出の増加に伴う効果の説明として最も適切なものを下記の解答群から選 べ。[解答群] ア 政府支出の増加は、IS曲線を右方にシフトさせ、所得の拡大を生じさせる。 イ 政府支出の増加は、IS曲線を右方にシフトさせ、金利差に伴う大規模な資 本の流出を引き起こし円高を招く。 ウ 政府支出の増加は、クラウディング・アウトを通じて民間投資支出の減少を 引き起こす。 エ 政府支出の増加は、それを完全に相殺する経常収支の悪化を引き起こし、所 得に影響を与えない。
第9問(H23) 内生的経済成長モデル(AKモデル)は次のように定義される。 いま、Y:GDPまたは生産量、K:資本ストック(人的資本や公共資本を含み、 資本減耗は考えない)、A:資本の生産効率を示す定数とすれば、生産関数は、 Y=AK であり、これを労働1単位あたりで示せば、 y=Ak になる。ここで、y:労働1単位あたりの生産量、k:資本-労働比率である。 上記の生産関数から生産量の増加率と資本の成長率は同じになる。また、凾jが 投資に等しく、投資は貯蓄sY(s:貯蓄率)と一致することを考慮すれば、が得られる。 さらに、労働人口の成長率をnとすれば、
が成立する。 ここから得られる記述として、最も不適切なものはどれか。 ア sA>nであれば、資本-労働比率と労働1単位あたりの生産量は(sA−n)の 比率で永続的に成長する。 イ 政策的に資本の生産効率を高めることができれば、経済成長率も上昇する。 ウ 生産関数は収穫逓減の特徴を持ち、長期的に経済成長は安定的な均衡成長の水 準に収束する。 エ 貯蓄率が高まれば、経済成長率も上昇する。
第10問(H23) 下図は、労働市場の開放に伴う2国間の労働移動の効果を示したものである。 なお、生産要素は労働と資本であり、労働移動が生じた場合でも労働者の国籍は変 わらないものとする。ここでMPLは労働の限界生産物を、Wは労働1単位あたり の賃金率を表している。当初、T国の労働量はOTC、U国のそれはOUCであり、 T国の賃金率はWT、U国のそれはWUである。さらに、T国の労働の限界生産物 はMPLT、U国のそれはMPLUである。この図の説明として最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。 a 賃金格差からCDの労働量がU国からT国に移動し、2国間の賃金は均等化 (W*T=W*U)する。 b 労働移動の結果、T国では資本のレンタル所得が三角形AEW*Tに減少し、 U国では資本のレンタル所得が三角形BEW*Uに増加する。 c 労働移動の結果、T国の労働者の賃金所得が増加し、反対にU国の労働者の賃 金所得が減少する。 d 労働移動の結果、世界全体で三角形EFGの所得が増加し、そのうち、三角形 EFHはT国の国民所得の純増に、三角形EGHはU国の国民所得の純増に等しい。 [解答群] ア aとc イ aとd ウ bとc エ bとd
第11問(H23) 下図は、2国モデルに基づく国際取引を表したものである。 いま、農産物に関する自国の輸入需要関数をD0D1、外国の輸出供給関数をS0S1 とする。自由貿易下の均衡価格はP0、均衡量はQ0である。 ところで、自国が輸入財1単位に対してT円の関税を賦課した場合、外国の輸 出供給曲線はS0S1からS2S3にシフトし、輸入価格はP0からP2に下落し、反対 に国内価格はP1に上昇する。また、均衡量はQ1に減少する。この図の説明として最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。 a 自国が輸入関税を課した場合、外国の経済余剰は四角形S2FGS0で示される。 b 自国が輸入関税を課した場合、世界全体で三角形EFGの経済余剰が失われる。 c 自国では、関税収入が四角形P1FGP2に相当し、関税賦課時の経済余剰が自由 貿易時の経済余剰を上回ることがある。 d 自由貿易の場合、自国の経済余剰は三角形S0EP0、外国の経済余剰は三角形 D0EP0で示される。 [解答群] ア aとc イ aとd ウ bとc エ bとd
第12問(H23) ある財の需要曲線がD=−4P+400で与えられている。ただし、Dは需要 量、Pは価格を表している。需要Dが200で価格Pが50のとき、当該財の需要の 価格弾力性(絶対値)として最も適切なものはどれか。 ア 0.25 イ 0.5 ウ 1 エ 2
第13問(H23) ラムゼイ・ルールによる効率的な課税に関する説明として最も適切なものはどれ か。 ア ラムゼイ・ルールによる効率的な課税によれば、供給の価格弾力性に逆比例す るように税率を課すことが示唆される。 イ ラムゼイ・ルールによる効率的な課税によれば、国外への移動が容易な資本へ の税率よりも、国外への移動が難しい労働所得の税率を低くすることが示唆され る。 ウ ラムゼイ・ルールによる効率的な課税によれば、需要の価格弾力性が高い宝石 や高価なバッグなどに高い税率を課すことが示唆される。 エ ラムゼイ・ルールによる効率的な課税によれば、代替財をもたないコメなどの 食料品の需要の価格弾力性は低いため、低い税率を課すことが示唆される。
第14問(H23) 2人からなる社会におけるパレート最適性に関する説明として最も適切なものは どれか。 ア パレート最適性の基準は、資源配分と所得分配の最適化を同時に達成するもの である。 イ パレート最適ではない状態から配分を変更するのであれば、必ず他の個人を不 利にせずにある個人を有利にできる。 ウ パレート最適な状態から配分を変更してパレート最適ではない状態へ移行する とき、必ず他の個人を不利にせずにある個人を有利にできる。 エ パレート最適な状態から配分を変更して別のパレート最適な状態へ移行すると き、ある個人を有利にすれば、必ず他の個人は不利になってしまう。
第15問(H23) 情報が不完全な市場で観察される「逆選択」に関する説明として最も適切なものは どれか。 ア 最低賃金制度が導入されると、労働需要が減少するという逆選択が発生する。 イ 自動車の事故保険では、保険金を受領する可能性(事故の可能性)が高い人ほ ど、保険に加入するという逆選択が発生する。 ウ 乳幼児医療費の助成制度が充実するほど、乳幼児の医療費は増大しがちである という逆選択が発生する。 エ 無名な企業が生産した商品は、それが良質であるとしても、有名な企業が生産 した商品に比べて人気が低いという逆選択が発生する。
第16問(H23) 以下のア〜エの4つの図は、ある個人の財Xと財Yに対する無差別曲線を描き 出したものである。これらのうち、財Xと財Yとが完全補完財であることを示す 図として最も適切なものはどれか。![]()
第17問(H23) 消費者の効用関数がU=√yであるものとする。ただし、yは所得である。い ま、25%の確率で所得が1万円となり、75%の確率で100万円になる不確実な状 況の期待効用として最も適切なものはどれか。 ア 725 イ 757 ウ 775 エ 752,500
第18問(H23) いま、ある個人は、図中にある線分AJが示す予算制約の中で学習用の教材を購 入するか、他の財を購入することができる。政府は、この個人による学習用の教材 の購入に対して以下の2つの方法で支援を行うものとする。なお、ADI線上の点E とABC線上の点Fは、同一の無差別曲線上にある。 (1) ABC線が示すように、B点の水準までの教材の消費量に対して、その費用の 一定割合を政府が負担する補助金の制度。 (2) ADI線が示すように、D点の水準までの教材の消費量に対して、その費用の 全額を政府が負担する補助金の制度。 図の説明として、最も不適切なものを下記の解答群から選べ。
[解答群] ア 個人の教材への支出が過小になりがちであると政府が評価しているならば、 政府は(1)の制度を採用すべきである。 イ 個人の効用を下げることなく、政策費用を削減したいならば、政府は(2)の制 度を採用すべきである。 ウ 点Dから点Hまでの長さは、(2)の制度を選択した場合に、政府が支払うべ き補助金額を示している。 エ 点Fから点Hまでの長さは、(1)の制度と(2)の制度を比較したとき、個人の 効用を下げることなく、政府が削減できる費用の大きさを示している。
第19問(H23) ギッフェン財の特徴として最も適切なものはどれか。なお、当該財の価格が下落 した場合を想定する。 ア ギッフェン財は下級財であり、代替効果に伴う消費の増加分が所得効果に伴う 消費の減少分を下回る。 イ ギッフェン財は下級財であり、代替効果に伴う消費の減少分が所得効果に伴う 消費の増加分を上回る。 ウ ギッフェン財は上級財であり、代替効果と所得効果によって消費の増加が生じ る。 エ ギッフェン財は上級財であり、代替効果に伴う消費の増加分が所得効果に伴う 消費の減少分を下回る。
第20問(H23) 完全競争下における企業の短期供給曲線の説明として、最も適切なものの組み合 わせを下記の解答群から選べ。 a 「価格=限界費用=平均費用」のとき、操業停止の状態に陥る。 b 「価格=限界費用>平均費用」のとき、利潤は黒字になる。 c 「価格=限界費用=平均可変費用」のとき、利潤は赤字になり、その赤字幅は可 変費用に等しくなる。 d 「平均費用>価格=限界費用>平均可変費用」のとき、利潤は赤字になるが、可 変費用のすべてを回収した上で、固定費用の一部をまかなった状態にある。 [解答群] ア aとc イ aとd ウ bとc エ bとd
第21問(H23) 製造業における稼働率指数と設備投資との間に見られる一般的な関係として、最 も適切なものはどれか。 ア 稼働率の低下は資本ストックの不足を意味し、設備投資の停滞を生じさせる。 イ 稼働率の低下は遊休設備の発生を意味し、既存設備の活用と設備投資の停滞が 生じる。 ウ 景気の拡大期には設備投資が増加し、資本ストックの過剰と遊休設備の増大が 生じる。 エ 景気の後退期には稼働率が上昇し、期待成長率の上昇から設備投資が増加す る。
第22問(H23) 下図は、自然独占のケースを示したものである。D0D1は需要曲線、MRは限界 収入曲線、ACは平均費用曲線、MCは限界費用曲線である。なお、平均可変費用 曲線AVCは限界費用曲線と同一である。この図の説明として最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。 a 限界費用に等しい価格付けを行うためには、四角形OP2GQ2に相当する補助 金の交付や二部料金制の導入が必要になる。 b 限界費用に等しい価格付けを行う場合、価格はP2、取引量はQ2で示され、企 業の利潤は四角形P2GIJの赤字になり、これは固定費に相当する。 c 独占下において、利潤を最大化にする価格はP0、取引量はQ0であり、全体の 経済余剰は四角形P0EFP2になる。 d 平均費用に等しい価格付けを行う場合、価格はP1、取引量はQ1であり、企業 の利潤はゼロになるから独立採算を実現する。 [解答群] ア aとc イ aとd ウ bとc エ bとd
第23問(H23) いま、家電量販店であるX社とY社が存在し、両社は同質財を同一価格で店頭 販売している。ここで、同質財を他社が自社よりも安く販売したときに自社は他社 の価格で販売するという「最低価格保証」をX社が宣言したとする。 このときの状況として最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。 a Y社が価格を引き下げた場合、X社も同じだけ価格を引き下げることになり、 Y社はX社の顧客を奪うことができない。 b Y社は何らの対抗措置を採らなくてもX社の顧客を奪うことができる。 c Y社も「最低価格保証」を宣言した場合、両社間の価格引き下げ競争が激化す る。 d Y社も「最低価格保証」を宣言した場合、両社ともに価格を引き下げる誘因が弱 くなるる。 [解答群] ア aとc イ aとd ウ bとc エ bとd
第24問(H23) 下図は、ある財の消費が外部不経済を及ぼす場合を示したものである。当該財の 私的限界価値曲線はD0D1として、社会的限界価値曲線はD2D3として描かれる。 また、供給曲線はS0S1である。この図の説明として最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選べ。 a 市場均衡点はE点であり、最適状態と比較して三角形EFGの余剰が失われ る。 b 社会的に最適な状態が実現したとき、経済余剰は三角形D0ES0になる。 c 社会的な最適点は課税によって実現し、このとき税収は四角形D0HFD2に等 しく、これは外部不経済と相殺される。 d 社会的に最適な状態を課税によって実現したとき、税込みの市場価格はP1で 示される。 [解答群] ア aとc イ aとd ウ bとc エ bとd
第25問(H23) 地方税に関する記述として最も適切なものの組み合わせを下記の解答群から選 べ。 a 市町村が課する固定資産税の課税客体には、償却資産は含まれない。 b 市町村は法人に対して均等割の税を課している。 c 都道府県が課する事業所税の課税標準は、資産割と従業者割からなっている。 d 都道府県が課する個人事業税は、前年の所得を課税標準としている。 ア aとb イ aとc ウ bとd エ cとd