経済学・経済政策

4年間に出題された用語とケインズ関係(用語の後に続いています)を抽出。空欄や正解は朱文字です。
GNP(国民総生産)
 GNPは、GDPに「海外からの要素所得受け取り」を加え、そこから「海外への要素所得支払い」を差し引いた値に等しい。(h18_1)
ローレンツ曲線
 所得の不平等度を示すもの。2国の比較例:A国とB国の人口の累積百分率と所得の累積百分比の関係を示したもの。(h16_12)
貨幣乗数
 貨幣乗数は、マネタリーベース(ハイパワード・マネー)が増加したときのマネーサプライの増加の割合を指す。
貨幣乗数は、金融仲介機能を通じて信用創造がどれだけ行われているかを反映している。貸出を通じて預金が増加し、それがまた貸出に回るという信用創造プロセスが活発であれば、貨幣乗数は上昇する
また、銀行や他の民間部門が当座預金残高や貨幣の保有を増加させると、貨幣乗数は低下する。(h15_7)
流動性のわな
 貨幣需要の利子弾力性が無限大となり、貨幣の流動性選好表が水平になる状態
流動性のわなに陥っている場合の政策的な合意: 大多数の人は、利子率が将来上昇するという期待を持っている。 流動性のわなに陥っている場合、金融政策の有効性は期待できない。(h15_11)
景気循環
 景気循環の周期の長さを、短いものから長いものへと順に並べると。 在庫循環 → 設備投資循環 → コンドラチェフの技術進歩循環。(h15_5)
自由貿易協定(FTA)
貿易創造効果と貿易転換効果
 最近、複数の国の間で自由貿易協定(FTA)が結ばれるようになっている。協定締結国間の関税撤廃により、それらの国の間の貿易が拡大し、経済厚生にプラスの影響を与える効果を貿易創造効果と呼ぶ。
一方で、本来競争力のあるFTA域外からの輸入がFTA域内の生産によって代替され、域内・域外の資源の効率配分が阻害されるマイナス効果を貿易転換効果と呼ぶ。(h15_9)
k%ルール
 貨幣供給量を長期的な経済成長率にあわせて一定の率で増加させる政策
 フリードマンを中心とするマネタリストは、経済政策を発動するタイミングなどを考慮した場合、裁量的な経済政策は景気を不安定化させる可能性があり、一定のルールに基づいた経済政策の発動を行うことが望ましいと主張した。この点について、たとえば、k%ルールが提案された。  経済政策のタイミングに関して、経済状況を判断したうえで経済政策が策定され、その効果が表れるまでの一連の時間を考えた場合、すでに景気が回復しているにもかかわらず、景気刺激策が発動され、かえって経済が不安定化する可能性がある。このような観点からも、マネタリストは、裁量的な政策よりもルールによる政策運営を重視すべきであると主張した。(h17_8)
コンテスタブル市場
 市場に多数の企業が存在していなくとも、潜在的な参入の脅威によって競争原理が働く市場のことを表す言葉。(h16_18)
制限価格付け(limit pricing)
 潜在的参入者に対し、市場に参入しても得られる利潤が少ないことを理解させるため、既存企業が限界収入と限界費用が等しくなる生産量よりも多く生産する戦略を示す概念。(h16_19)
排出権取引
 地球温暖化の対策として、排出権取引の導入が行われている。排出権取引は、企業が決められた排出量削減目標を達成するため、企業間で排出枠を売買する仕組みである。(h17_17)
モラルハザード
 情報の非対称性に起因するもの。大量の資金を借りながら採算を悪化させた企業が、資金の貸し手の債権放棄により、みずから十分な事業改善を行わなくなること。(h18_14)
ベルトラン・ナッシュ均衡
2社によって製品を供給する複占市場で、他企業の価格を所与として、両企業とも自社の価格を最適化して利潤最大化しようと競争しているときの均衡。
シュタッケルベルク均衡
2社によって製品を供給する複占市場で、一方が大企業で能動的に生産量を決め、他方が大企業の生産量を所与とし、受動的に自社の生産量を決めるときの均衡。(h15_19)
範囲の経済性
 電力会社において、配電サービスと送電サービスを別々に行うよりは一緒に行った方がコストが軽減される場合、範囲の経済性が存在するといえる。
 異なる製品の生産で共通コストがある場合に、それらの生産を一緒に行うことで、範囲の経済性を実現することが可能である。(h17_13)
SCPパラダイム
産業組織論で用いられるSCPパラダイムは、個別市場のつぎのような特徴と因果律を問題にしている。
 構 造 − 行 動 − 成 果 (h15_14)

ケインズ関係が出てきた問題を集めました。

第2問(H17)
 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
 有効需要の原理に基づき、総需要と総供給との関係から均衡GDPの決定につい
て考えてみよう。
 まず、総需要ADが消費支出と投資支出から構成されるモデルを想定し、消
費支出と投資支出がそれぞれ、
 0cY
 0
として与えられるとする。ここで、0:独立消費、:限界消費性向、:国内所
得あるいはGDP、0:独立投資である。
 いま、下図のように、縦軸に総需要、横軸に国内所得(GDP)を表すとすれば、
@所得水準とそれに対応して計画された総需要との関係はADとして描かれる。ま
た、45度線は総需要=総供給(国内所得)の関係を示している。
 このとき、均衡GDPは* の水準に決まる。仮に、A国内所得が1 の水準にあれ
ば、総供給 > 総需要の関係にあり、生産物市場には超過供給が発生する。なお、
均衡GDPは限界消費性向が1より小さい場合に安定的になる。
(設問1)
  文中の下線部@について、AD線の説明として最も適切なものの組み合わせを
 下記の解答群から選べ。

 a AD線の傾きは限界消費性向に等しい。
 b AD線の縦軸の切片は、(00 )に等しい。
 c 限界貯蓄性向が大きいほど、AD線の勾配はより激しくなる。
 d 独立消費が増加すれば、AD線は下方にシフトする。
 e 独立投資が増加すれば、AD線は上方にシフトする。
(設問2)
  文中の下線部Aについて、超過供給の調整メカニズムの説明として最も適切な
 ものはどれか。

 ア 有効需要の原理によれば、価格の下落を通じて超過供給が解消され、均衡GDPが実現する。
 イ 有効需要の原理によれば、価格の上昇を通じて超過供給が解消され、均衡GDPが実現する。
 ウ 有効需要の原理によれば、雇用量の増加を通じて超過供給が解消され、均衡GDPが実現する。
 エ 有効需要の原理によれば、生産の拡大を通じて超過供給が解消され、均衡GDPが実現する。
 オ 有効需要の原理によれば、生産の縮小を通じて超過供給が解消され、均衡GDPが実現する。
第4問(H18)
 次の均衡所得の決定に関する文章を読んで、下記の設問に答えよ。第4問(H18)
 総需要ADが消費C、投資I、政府支出Gから構成される経済モデルを仮定する。すなわち、
      AD=C+I+G
である。
 ここで、消費関数と投資関数はそれぞれ、
      C=C0+c(Y−T)
      I=I(r)
として与えられ、Yは所得、C0は独立消費、cは限界消費性向、Tは租税収入、r
は利子率である。なお、政府支出と租税収入はそれぞれG=G0、T=T0とする。
 他方、所得の処分は、
      Y=C+S+T
として示される。ここでSは貯蓄である。
 このとき、下図のように、@I+G線とS+T線の交点で総需要=総供給が成立
し、均衡所得がY0に決定される。また、AI+G線またはS+T線がシフトすれ
ば、それによって均衡所得の水準も変化する
(設問1)
 文中の下線部@について、I+G線およびS+T線の特徴を最も適切に記述したものの組み合わせを
下記の解答群から選べ。

a I+G線の位置は限界消費性向によって決まる。
b I+G線の位置は利子率の上昇に応じて上方にシフトする。
c S+T線の傾きは限界貯蓄性向が大きいほど急になる。
d S+T線の切片は独立消費が大きいほど下方に位置する。
e 限界消費性向が大きいほど限界貯蓄性向も大きくなり、S+T線を下方にシフトさせる。
(設問2)
 文中の下線部Aについて、I+G線またはS+T線のシフトと均衡所得との関係を最も適切に
記述したものの組み合わせを下記の解答群から選べ。

 a 均衡予算により、政府支出の増加と増税を同規模で行った場合、I+G線とS+T線はとも
  に上方にシフトし、所得水準は影響を受けない。
 b 減税は、S+T線の切片の位置を上に移動させる。
 c 政府支出の増加と減税を同規模で行った場合、I+G線は上方に、S+T線は下方にそれぞ
  れシフトして所得の拡大が生じるが、その拡大幅は前者のほうが大きい。
 d 独立消費の減少は、S+T線を下方にシフトさせて所得を拡大させる。
 e 投資の利子弾力性がゼロの場合、利子率が低下してもI+G線は変化せず、所得は不変である。
第1問(H17)
 消費および貯蓄に関する説明として最も不適切なものはどれか。

 ア ケインズ型の貯蓄関数では、限界貯蓄性向は1より小さく、所得の増加に応じて平均貯蓄性向が低下する。
    [追記]正しくは、「平均貯蓄性向が増加する」です。
 イ 恒常所得仮説によれば、1回かぎりの特別減税によって可処分所得が一時的に増加したとしても、消費の
  水準は影響を受けないとされる。
 ウ 個人レベルの倹約は美徳とされるが、「倹約のパラドックス」が発生する場合、人々の倹約意欲の高まり
  とともに、GDPが減少する。
 エ 社会保障が不十分な場合、将来の年金への不安などによって、個人の貯蓄意欲は増大するという仮説がある。
 オ ライフサイクル仮説では、一生にわたって得られる所得が増加するのにしたがって、消費が増大すると考える。
第5問(H16)
 次の投資支出に関する説明に関して、最も適切なものの組み合わせを下記から選べ。

 a 加速度原理によれば、生産量の増加速度が大きいほど、投資支出が小さくなる。
 b ケインズの投資理論によれば、投資の限界効率が利子率を上回る場合に、投資が実行される。
 c ストックとしての投資支出の増加は、フローとしての資本量が増加することを意味する。
 d 投資の利子弾力性が小さいほど、貨幣供給拡大に伴う所得拡大効果は大きい。
 e 投資の利子弾力性が小さいほど、利子率の低下に伴う投資支出の拡大幅は小さい。
第8問(H15)
 財政均衡にこだわらず、財政支出拡大や金融緩和による景気拡大を図るという考
えに最も当てはまるものはどれか。

 ア ケインズ政策  イ サプライサイド経済学  ウ 新古典派理論  エ マネタリズム
第7問(H16)
 次の文章を呼んで、下記の設問に答えよ。
 古典派のマクロ経済理論とケインズ派のマクロ経済理論を対比したとき、大きな
相違点は、貨幣市場と労働市場のとらえ方に求められる。貨幣市場の分析に関し
て、古典派のケースでは、貨幣数量説を前提とする。貨幣数量説では、貨幣需要は
所得に依存するという考え方を採用している。完全雇用を仮定すれば、貨幣の中立
性が成り立ち、名目貨幣供給が増加すると、物価水準が同率で上昇する。他方、ケインズ派の
流動性選好理論によれば、貨幣需要は、所得のみならず利子率の水準にも依存す
る。貨幣需要は、所得の増加ならびに利子率の低下とともに増加する。
 労働市場に関して、古典派のケースでは、物価と名目賃金の伸縮性を仮定する。
このケースでは、完全雇用が実現するように、実質賃金の水準が決まる。また、縦
軸に物価、横軸に生産量(総供給)をとると、総供給曲線が垂直になる。他方、物価
は伸縮的であるが、名目賃金は硬直的であるというケインズ派のケースでは、物価
の上昇は実質賃金の下落と雇用量の拡大を引き起こし、生産量を増加させる。した
がって、このようなケースでは、総供給曲線は右上がりに描かれる。

(設問3)
 文中の下線部に関し、総供給曲線の右方へのシフトを引き起こす要因として、最も
適切なものの組み合わせを選べ。
 a 技術進歩
 d 名目賃金の下落
 b 資本ストックの減少
 c 中間投入される天然資源の価格上昇
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